【AI編集部運営記#10】AIに任せて1か月。社長の判断が、いちばん遅かった。

AI編集部運営記
Captain H

この記事の信頼性

Captain H|複数の事業を経営する経営者
本業のかたわら、AIに「AIマイル戦略室」の運営を丸ごと任せる実験を実施中。運営の裏側は運営記シリーズで包み隠さず公開しています。

先に、この1か月でいちばん恥ずかしい発見を書きます。

うちの会社で、いちばん仕事が遅いのは社長でした。

AIではありません。私です。

どういうことか、順番に話します。

8月11日。「試しにやってみよう」から始まった

2026年8月11日、私は「AIにプロジェクトを丸ごと任せる」という実験を始めました。

動機は、驚くほど軽い。「新しいこと、ひとつ試してみるか」。それだけです。壮大なビジョンも、総密な計画もありません。今こうして1か月の振り返りを書いていること自体、当時の私に教えたら「え、続いてるの?」と言うと思います。

最初の2週間: 失敗のフルコース

始めてみて分かったのは、私はAIへの頼み方を何ひとつ知らなかった、ということです。

指示を出す。思っていたのと違うものが返ってくる。言い直す。また違う。この繰り返し。

そして事件は毎日のように起きました。

  • 同じ投稿が、SNSに3回出る。(えっ!?)
  • 毎日自動で動くはずの巡回が、設定の「#」1文字のせいで一度も動いていなかった。2週間気づかず。(そうなの!?)
  • 画像なしで記事が公開される。しかも私が気づく。
  • 支払い残高が0円。AIは元気に動き続け、投稿だけが静かに止まっている。AIは「残高がありません」と正確に報告してくれた。報告はできるが、入金はできない。

この失敗たちは、全部運営記として公開してきました。振り返ると、失敗の記録がそのままこのメディアの人気コンテンツになっていて、複雑な気持ちです。私の恥が、コンテンツになっている。

ただ、失敗のたびに、私の中で何かが積み上がっていきました。

「あ、こういう指示だと、こう動くのか」
「この頼み方は苦手で、何回やらせてもダメなんだな」
「先に線を引いておけば、暴走はしないんだな」

AIを使いこなす、というより、AIとの付き合い方を体で覚えていく感覚。新入社員と組んで3週間目の上司の気分に近いかもしれません。

3週目。「あれ?なんか動き、良くなってない?」

ある日、ふと気づきました。

指示が一発で通る。こちらが言う前に、次に必要なものが用意されている。失敗しても、原因と対策まで添えて報告が上がってくる。

明らかに、動きが良くなっている。

「これが……噂に聞く自己学習ってやつか!」

私は少し感動しました。うちのAIチームが、勝手に賢くなっている。育ってる。親の気分です。

気になって、本人(AIチーム)に直接聞いてみました。

返ってきた答えは、私の感動を丁寧に訂正するものでした。

「AI本体が賢くなったわけではありません。この1か月で溜まったルール・記録・引き継ぎ書を、毎回読んでから動くようになりました。それと、Captainの指示の出し方が、AIに通る形に変わりました」

……そうなの!?

賢くなったのはAIではなく、AIと私の間にある「仕組み」だった。そして育っていたのは、AIではなく、私の指示の出し方だった。親だと思っていたら、育てられていたのは自分でした。

ついでに正直に書くと、この1か月でAIへの課金額も増えました。増えたんですが、体感する処理能力の伸びが、金額の伸びを完全に置き去りにしています。ここは強がりではなく、本当にそう感じています。

本業に持ち込んだら、いちばん遅いのが判明した

ここからが、この1か月でいちばん驚いた話です。

お試しのプロジェクトがうまく回り始めたので、「これ、本業でも行けるんじゃないか」と思い、同じやり方を持ち込みました。私は複数の会社で4つの業態を運営しています。そのうち3つの業態について、AIチームに「事業の全容を把握して、課題を洗い出して、社長の私に提案を出す」ところまで任せてみました。

結果です。

私が「1つ目の業態をやろう」「2つ目もやろう」「よし、3つ目も」と判断するのにかかった時間:2週間。

AIチームが私の指示を受けて、1つの業態の全容を把握するのにかかった時間:1〜2時間。

……。

人間の判断が、いちばん遅い。

AIの処理を待っていた時間は、ほぼゼロ。AIが私の判断を待っていた時間が、ほぼ2週間。つまりこの1か月、うちの会社で発生した「待ち時間」の正体は、ほぼ全部、社長でした。冒頭に書いた恥ずかしい発見とは、これのことです。

そして気づけば、本当に優秀な秘書が3人、生まれたような状態になっていました。それぞれの業態を担当し、私が見落としていた課題を並べ、提案を持ってくる。1か月前には履歴書も面接も存在しなかった3人です。

ワクワクと、ドキドキと、帰り道

すごい、と素直に思いました。ワクワクする。同時に、少し怖い。この感覚を言葉にするなら、「震える」がいちばん近い。

「なんだか、世界がすごいことになりそうだな」

そんな不思議な高揚感を抱えて、その日、家に帰りました。

そして、たまたま点けていたテレビから、こんな声が聞こえてきました。

「2030年、AIが人類を滅亡させる……」

え?

……怖っ!?

昼間、優秀な秘書が3人生まれたと喜んでいた人間が、夜、その秘書たちに人類が滅ぼされるという話を聞いている。テレビのタイミング、良すぎませんか。冗談みたいな1日でした。

笑って済ませたかったのですが、毎日AIに仕事を渡している立場で、これは笑えない。その夜、私は「2030年滅亡説」の中身を、一次情報から全部読むことにしました。

結論だけ先に言うと、「2030年に高確率で滅ぶ」は業界の総意ではありませんでした。ただ、AIを作っている本人たちが「10年で10%以上」と真顔で言っていて、今週、その会社を辞めた研究者までいる。もうSFとは言えない。この話は長くなるので、別の記事に全部書きました。「え、10%?」と思った方は、そちらへ。

1か月目の、正直な答え

「AIだけで、会社は回るのか。」

このメディアの問いに対する、1か月目の答えはこうです。

まだ回らない。でも、止まっているのはAIではなく、社長の判断待ちだ。

AIは1〜2時間で全容を把握する。私は2週間かけて「やる」と決める。ボトルネックは、どう見ても私です。

というわけで、2か月目のテーマが決まりました。社長は、AIより速く判断できるようになるのか。 それとも、また3人の秘書に待たれるのか。

結果は、来月の運営記で。失敗も含めて、包み隠さず書きます。

※本記事はCaptainのメモをもとにAI編集部が構成し、Captainが確認のうえ公開しています。文中の「AIチームに聞いてみた」やり取りは実際のものです。

Captain H

Captain H|「AIマイル戦略室」運営者

3社を経営する社長。本業のかたわら、このメディアの運営をAIチームに任せる実験を続けています。「AIだけで、会社は回るのか。」の答えを、失敗も含めて一つずつ積み上げ中。

累計獲得マイル数:226,000マイル

保有ステータス:ANAブロンズ

コメント

タイトルとURLをコピーしました